付着性珪藻による水質調査のおすすめ

 

紅藻
紅藻(カワモズク属の一種)
Batrachospermum sp.

鳥海山麗有用植物園 淡水藻研究室

株式会社 石の勘左ェ門

TEL0184-33-3133
FAX0184-33-3433



生物を用いた水質調査の特徴

河川や湖沼の水質を知るには、さまざまな分析器機を使って物理化学的に調べる方法と、
そこに生息する生物を調べて判定する方法があります。物理化学的分析は、問題となる
物質の量をはっきり示すことができますが、その量は季節によって、あるいは一日の時
間帯によって大きく変動するため、何回も測定しないと平均的な水質がわかりません。
それに対して、生物を用いた判定は、問題の物質を量的に示すことはできませんが、水
中に生息する生物の種類は過去の長期間の水質を総合的に反映しているため、普通は一
回の調査で、平均的な水質を知ることができます。

なぜ珪藻を用いるのか?

生物を用いた水質判定には、しばしば珪藻が使われます。珪藻は種類が多く、あらゆる
水環境に分布し、しかも、水質に応じて異なる種類が出現するので、珪藻を調べれば、
その水がどの程度汚染されているかを知ることができるのです。珪藻と水質の関係は、
早くから河川や湖沼の汚染が深刻化したヨーロッパで、徹底的に研究されました。特に
ドイツでは、淡水に生息する珪藻の分類学的研究が進み、また珪藻によって水質を判定
する実用的な方法が確立されて、今では世界中で広く用いられています。

珪藻の調査方法

まず現地で、水中の落葉、小石、水草、あるいは藻類などを採集して、小さなビンに入
れて持ち帰ります。これやの試料の表面には、肉眼では見えない単細胞の珪藻が大量に
付着しています。この付着性珪藻を取り出すため、試料を洗い、洗い水の中の藻類を遠
心分離して沈殿させます。この沈殿物を15%過酸化水素水中で煮沸すると、珪藻の細
胞質をはじめとする全ての有機質が溶け去り、珪藻の細胞壁を構成する珪酸質の殻だけ
が残ります。この珪藻の殻の標本を永久プレパラートに作り、光学顕微鏡で観察して、
出現する珪藻の全種類を同定し、また、それぞれの種類の出現頻度を調べます。

珪藻調査でわかること

問題の水に生息する珪藻の種類と、それぞれの種類の出現頻度が分かれば、その水の栄
養度と腐水度を推定することができます。栄養度とは、窒素、リンなどの栄養塩類によ
る水の汚染(富栄養化)の程度を意味します。また、腐水度とは、腐敗物(分解途中の
有機物)による水の汚染の程度を意味し、その水の酸素不足の度合(酸素飽和損)およ
び生物化学的酸素要求量(BOD)がどの程度であるかを示すものです。また、水の栄養
度と腐水度がどの段階にあるかが分かると、その水を水道、水産、工業などの用水とし
て使用できるかどうか、あるいは、どの程度の浄水操作が必要かを判定することができ
ます。



付着性珪藻による水質評価の概要


付着性珪藻の調査は、およそ1ヶ月を要します。調査結果は、観察結果一覧表、および
観察された全種類の珪藻の写真とともに、報告書にまとめ、ご報告いたします。

報告書の一例として

付着性珪藻から見た佐野市こどもの国せせらぎ川の水質について